公務員のインターンシップ参加のメリットは?【公務員志望の方むけ】


こんな疑問にこたえます。

  • 公務員の仕事に興味があるけれど、自分に向いているのかを知りたい。
  • 公務員のインターンシップに参加するメリットを知りたい。
  • 実際のインターンシップでの経験を最大に活かす方法を知りたい。

この記事を書いているのは、関東地方の県庁で30年間公務員として働き、独立したキャリアコンサルタントです。

県庁では主に産業労働行政の分野で、企業誘致や中小企業支援をしていました。私自身も、実際にインターンシップの学生さんを、実習現場でお世話したこともあります。

インターンシップ制度は、多くの就職先で一般的に行われていますよね。

今は多くの自治体でも、学生さんのインターンシップを積極的に受け入れています。

でもお役所のインターンシップは、民間企業とはちょっと違った特徴もあります。ぜひそのあたりを知ってから、実際のインターンシップ体験をしてほしいなと思ってます。

もくじ

  •  1 民間企業のインターンシップとはこんなふうに違う
  •  2 役所でのインターンシップ体験で得られるメリット3つ
  •  3 インターンシップへの応募と体験にあたって気をつけたいこと
  •  4 結論だけのまとめ


1 民間企業でのインターンシップとはこんなふうに違う

当然のことですが、基本的に、自治体のインターンシップに参加することで、実際の採用で有利になることは期待できません。

なので、民間企業と違って、「就活」の一手段とは考えずに、あくまでも仕事を理解する手段として臨んでください。

なぜなら、そもそも自治体のインターンシップの目的が民間企業とは違うからなのです。

自治体でのインターンシップの目的は、大きく2つです。

  • 「学生等の職業意識の向上を図ること」
  • 「各自治体における行政運営への理解の増進を図ること」

たいていの自治体がネットで公表している「インターンシップ実施要綱」に明記されています。お役所らしくちょっとお堅い表現ですよね。

要するに、学生さんへの社会教育的な観点から、お役所の仕事を知ってもらいたいと思って実施しているのです。

やや極端な言い方ですが、「インターンシップの場を利用して優秀な学生の品定めをしたい」という狙いで実施する企業との違いはここにあります。もちろん、企業も、自治体と同様の目的も併せ持っていると思いますが。


かつて私が働いていた職場でも、毎年のように2名ほどの学生さんを、2日にわたり迎えていました。

民間企業のインターンシップを経験している学生さんも多く、それと比較してインターンシップ終了後には、こんな感想も聞かれました。
「ある企業のインターンシップでは、体験前から宿題を与えられたり、面接もあったりで厳しかったけど、お役所はちょっと違いました」など。


お役所のインターンシップは学生さんにとっては「ゆるい」印象だったようです。

2 役所のインターンシップに参加するメリット3つ

① 仕事イメージと公務員イメージが明確になる

やはり仕事の現場に直接触れることで得られるメリットは大きいです。

インターンシップ体験前には、自分なりのお役所イメージや公務員イメージがあると思います。でも実際の体験後には、事前のイメージとはかなり違った「発見」を持ち帰ってもらえると思います。

なぜなら、たとえ身内に公務員がいたとしても、やはり人から聞くことと実際に実習を体験して、身をもって知るのとでは大違いだからです。

役所の仕事は、一般に、人にモノやサービスを売るようなことではないので、仕事としてはわかりにくいところがあると思います。

警察や消防などわかりやすい仕事を除き、一般事務職のイメージは、住民票の発行窓口での手続き対応のようなものかもしれませんよね。外から見る限りでは、パソコンに向かってのデスクワークの姿しか映らないので、具体的にどんな仕事をしているのかよくわらないと思います。

なので、インターンシップという制度を利用して、お役所の仕事を直接、見て、聞いて、体験できるのはとても貴重な機会だと思います。

公務員の仕事はほんとうに多岐にわたるので、実習先によって、仕事の内容は全く違ったものになります。

例えば、私がいた職場は、県内の中小企業さんを支援する仕事をしているところでした。

「えっ、お役所が民間企業の支援をするの?」

と、一般の役所のイメージとは少し違うかもしれません。

このような産業振興の仕事は、住民の働く場や企業さんからの税収を増やして、教育や福祉に役立てたりと、行政の役割としてやはり大切な仕事なんです。

「役所って、こんな仕事もしてるんだ」といった発見も、インターンシップならではの体験だと思います。

② 公務員が自分に合った職業なのかを知るきっかけが得られる

次に、果たして公務員という職業が自分に向いているかということを確かめる機会が得られる点もメリットです。

インターンシップ体験では、自分に公務員としての職業適性があるかどうかの判断材料を得ることができます。


なぜなら、インターンシップでは公務員の仕事の内容だけではなく、公務員と直接話ができる機会が多く得られるからです。

インターンシップでは、任された仕事をやるだけでなく、ぜひ現職公務員に対していろいろな質問を投げかけてください。

例えば、こんなふうに質問をしたり、率直な思いを投げかけてもいいと思いますよ。

「私は将来公務員になりたいと思っていますが、実は人前ではとても緊張するタイプなのです。こんな私でも大丈夫でしょうか?」

「女性ならば公務員が一番いい、と両親から言われたので公務員を目指しているのですが、女性公務員の方の意見を聞きたいのです」

せっかくインターンシップを体験しに来たのですから、遠慮なく現職公務員に質問してみてください。たいていの職員は、快く、親身になって対応してくれます。

③ 公務員の面接試験での発言に説得力が増す

公務員の二次試験では、面接試験があります。採用にあたって、最近は特に「人物重視」の傾向が強くなってきています。

グループ面接や個別面接の場面では、ぜひ、インターンシップでの実体験も交えて自分を表現してください。より説得力が増しますよ。

なぜなら、人は、その人ならではの実体験から発せられる言葉には、より心を動かされるものだからです。

面接場面では、公務員の志望動機や、ぜひやりたい仕事などについて、インターンシップ体験での学びと関連づけて具体的に話せれば理想的です。

インターンシップ体験の前後で、公務員や役所の仕事への印象がこんなふうに変化したといったことなどを、事前に整理しておくといいと思います。

例えば、こんな感じでしょうか。

「私は人前で緊張するタイプなので住民の方と接する仕事は苦手だと思いました。しかしインターンシップで職員さんから『私も実は緊張しやすいけど周りの職員が助けれくれるので大丈夫だよ』と笑顔でアドバイスをもらったことで、とても安心しました」

「インターンシップでは女性の課長さんがいらっしゃいました。その方と話をする機会を得て、私なりの将来の公務員イメージを確かめることができました」

インターンシップという体験を、積極的で主体的に経験することで得られた、自分ならではの ”実感” をぜひ面接官に伝えてほしいと思います。

面接官の側も、「あなたのような方とぜひ一緒に仕事をしていきたい」と思ってくれるかもしれませんよね。

3 インターンシップの応募方法と参加の留意点

① 応募にあたっての留意点

インターンシップ体験に際しては、より具体的な動機や問題意識を持って望むことが必要です。それらを応募書類にしっかりと書けなければいけません。

なぜなら、インターンシップの受け入れ人数は限られているからです。

たいていの自治体では、個人ではなく、学校等がとりまとめて応募します。なので希望者すべてが体験できるわけではなく、学校への応募の段階で落とされてしまう可能性があります。インターンシップすら狭き門なのです。

では、落とされない応募書類とはどんなものでしょう。

応募書類の様式は各自治体のホームページから入手することができます。記入項目はどの自治体でも似たようなものです。

・「インターンシップを希望した理由」

・「実習に向けての抱負」

「希望する実習の内容とその理由」などです。

記入にあたっては次のことに留意して丁寧に作成しましょう。
・希望する実習先の職務内容について、あらかじめ、自治体のホームページなどでよく調べてから、自分なりの疑問点を整理しておくこと。

・自分自身の公務員としての適性についてどのような疑問や課題を持ち、実習を通じてどのように確かめようと考えているのかを記すこと。

② 実習中にぜひやってほしいと思うこと

とにかく、どんなことでもいいので、実習先の職員に対して自分の方から積極的に話しかけてもらいたいです。

任された実習内容を淡々とこなすだけでなく、実習前に確認したいと思っていた疑問や課題を、その場にいる職員に投げかけてみてください。

なぜなら、実習先の職員は、日頃の業務がある中で、特別な時間と手間をかけてみなさんをお迎えしているからです。

みなさんに任せる仕事は、実習の受入先の職員があらかじめ、みなさんが取り組みやすいように工夫して、特別な準備をしたものです。

職員は、みなさんに対して「役に立ちたい。ぜひ意味のある経験や発見を持ち帰ってほしい」と心から願っています。

ですから、職員が多少忙しそうにしていても、遠慮することはありません。自分たちの仕事に対して強い関心や興味を持って、積極的に話しかけてくれた方が、むしろ嬉しいのです。

もしも、話しかけづらい雰囲気があるときには、例えばこんなふうに声をかけるといいですよ。

「すみません、いま話しかけてもよいでしょうか。お手すきの時に教えていただきたいのですが・・・」

「(仕事への疑問点や質問事項を箇条書きにしたメモを渡しながら)お手すきの時にこの点について教えてくださるでしょうか?」

嫌な顔をする職員はまずいません。むしろあなたへの高感度はぐんとアップするでしょう。

4 結論だけのまとめ


冒頭の疑問にお答えします。
インターンシップでは、仕事への適性面だけでなく、現役職員との触れ合いの中から、自分が馴染めそうな職場なのかを実感することができると思います。

もちろんごく短期間での実習なので限界がありますが、実際に体験することで得られるメリットは大きいです。

ただし、単に ”受け身での実習姿勢” では学びの効果は極めて小さいです。

実習前に、実習先の職務内容をよく調べて、自分なりの課題や質問事項をできるだけ多く用意しておくことが、大きな学びのコツです。

そして、実習中は、あらかじめ用意した質問や、その場で感じた疑問を、物怖じせずに職員に投げかける勇気も大切です。実習先の職員は皆さんからの「投げかけ」を心から期待しているものですから。


そして実習後には簡単でよいので、お世話になった職場にお礼の手紙を出しましょう。メールよりも手書きの方が喜ばれますよ。ではがんばってくださいね。



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ABOUTこの記事をかいた人

NORI(ノリ)

元県庁職員でキャリアコンサルタントをしています。公務員の皆さんの"人生戦略”や”キャリアの自律”を応援する記事を書いてます。キャリアコンサルタント(国家資格)、キャリアコンサルティング技能士2級(国家資格)、中小企業診断士(国家資格)、産業カウンセラーの資格は県庁勤務の時に取りました。